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101年目のロバート・キャパ
2014年04月02日
「101年目のロバート・キャパ」という写真展を見に行ってきました。
キャパと言えば、「崩れ落ちる兵士」で知られるように、戦場カメラマンとして有名ですが、
今回の展示は“カリスマカメラマンキャパ”ではなく、“魅力あふれる人としてのキャパ”というコンセプトを前面に出していました。
キャパの写真はモノクロにもかかわらず、カラー写真よりもリアリティを感じさせます。
色という情報を補うかのように想像力が働くのです。
キャパは戦場写真の他にも多くの人物写真を撮影しています。
ヘミングウェイと彼の息子が桟橋の上で寄り添っている写真が印象的でした。
釣りの途中なのでしょうか。
ヘミングウェイの穏やかな表情と男の子の笑顔に二人の関係が良く現れているように思えました。
このような写真は、撮影者と被写体(被撮影者)の関係も重要です。
お互いを自然に受け入れていなければこのような写真は撮れないはずです。
キャパとヘミングウェイの深い友情が感じられます。
この写真を見て、私は自分と息子のことを想像してしまいました。
私にとって、ある意味、理想的な親子関係をそこに見た気がしたのです。
ピカソやマティス、スタインベック、そしてかつての恋人イングリッド・バーグマンの写真も魅力あふれるものでした。
キャパという人そのものが映像のスパイスとして表現されているのかもしれません。
優れた写真は人の想像力を喚起します。
今回はそのことを実感しました。
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