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2018年 第18回日本抗加齢医学会
2018年05月31日
5月25日から27日にかけて日本抗加齢医学会総会が大阪国際会議場で開催されました。
この学会は歯科に限らず様々な専門分野の医師による発表や講演が行われるため、ある同じ疾患に対しても異なる視点からの意見を聞けることから、毎回とても勉強になります。
今回の抗加齢医学会ではちょっと異色のシンポジウムが開催されました。
そのシンポジウムは「自動車運転の現在と未来」という演題で、医師だけではなく、警視庁やトヨタ社員の方も講演されました。
このシンポジウムは医学とは直接関係ないようにも思えますが、抗加齢医学会としては特に高齢化社会における認知症が疑われる高齢ドライバーの問題は重要だったのでしょう。広い視点から現状を知ることによって医療の分野からもどのような貢献ができるかを考えるには良い問題提起だったと思います。
認知症を専門とする医師からは認知症患者の症状と運転との関わりなどについて、また、警視庁の方からは、改正道路交通法に関連して高齢ドライバーを対象とした認知機能検査の内容とその現状の説明がありました。
トヨタ自動車の講演では、会社の究極の目標として交通事故死ゼロを掲げ、安全技術を中心とした運転の自動化へ向けての様々な取り組みが紹介されました。
講演の内容は昨年モデルチェンジしたレクサスLSに装備された最新技術の話が中心で、会場から質問に立った医師から「今ベンツに乗っていますが、レクサスに変えようかと思いました。」という発言もありました。
さらにその方から「安全技術や自動運転技術が進歩しているが、路面と直接コンタクトするタイヤについてはどうなのか?」という趣旨の質問がありました。
その方は降雪の際はスタッドレスを使用するものの、周囲ではノーマルのままの車も見かけるということでしたので、そのような現状で自動運転や安全システムが路面状況の変化に対応できるのか?という点を疑問に感じたのでしょう。それに対して演者は「ここ20年ほど路面のセンシング技術はほとんど進歩していない。今後AIを用いた路面確認技術の進展に期待される。」のように発言されていました。
このように医学とは少し離れた話題もありますが、それはそれで興味深く聞くことができました。