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2015年 日本歯周病学会 in 幕張
2015年05月21日
5月15日と16日の両日、日本歯周病学会が幕張メッセで開催されました。
今回の学会では、奈良で開業されている河野先生や神奈川歯科大学歯周病科の三辺教授らのグループと共同でポスター発表を行いました。
発表タイトルは「初診受診患者のPorphyromonas gingivalisに対する血漿抗体価と歯周病重症度の関連性」です。
河野先生が以前から継続して行っている研究で今回の発表者でもあります。
私は主に臨床データの解析を担当しました。
Porphyromonas gingivalis (P.g菌)は代表的な歯周病菌のひとつで、このP.g菌の体内への感染度を示す血漿抗体価が歯周病の進行に従ってどのように変化しているかを調べました。
結果として、重症度が高くなるに従ってP.g菌血漿抗体価も高くなる傾向にあることから、この検査が歯周病重症度のスクリーニング診断に有効であると結論づけました。
しかし、重篤な歯周病では必ずしも抗体価が高くならないケースも認められ、歯周病が一定以上重症化するには歯周病菌(P.g菌)以外の複合的な要因も強く関与していることが示唆されます。
臨床的には、歯ぎしりやくいしばりを含めた咬み合わせの異常、糖尿病などの全身疾患、喫煙、などの条件があると歯周病は重症化しやすくなります。
その他に遺伝的な要因や免疫的な問題も関連しているかもしれません。
今後も、より多角的な視点から歯周病を解析する必要があると思われます。