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過剰治療 オーバートリートメント
2019年01月03日
昨年2018年9月にスイス経済研究センターが歯科医院の過剰治療についての調査報告を発表しています。
スイス国内180の歯科医院を調査員が受診して診断を受けたところ、そのうちの28%でスイスの治療基準に照らし合わせて過剰と思われる治療を勧められていたということです。加えて患者の社会経済的地位が低いと思われる場合にはさらにその割合が多くなっていることなどもわかりました。
国際歯科連盟(FDI)が2002 年に提唱したミニマルインターベンション(MI)という虫歯治療の基本概念の中に「最小限の侵襲」というくだりがあります。
https://www.fdiworlddental.org/sites/default/files/
media/documents/Minimal-intervention-in-the
-management-of-dental-caries-2002.pdf
この中の一文にできるだけ健康な歯質は削らないようにしましょうという内容の箇所があり、このことは私も日常的に意識しながら治療にあたっているのですが、削るか削らないかの線引きが難しい場合もあります。そのような時は患者さんご本人ともよく話し合いながら治療を進めるようにしています。
もちろん、できるだけ歯を削らないに越したことはありませんが、必要な治療をきっちりと行うことも重要です。
ちなみにこのFDIが提唱したMIで一番に取り上げられているのは「口腔内細菌叢の改善」です。
今ではこのステイトメントが出された時よりもさらに細菌検査技術が進歩しており、口腔内細菌の詳細が調べられるようになっています。
歯石やプラークを取り除くクリーニングはもちろん大切ですが、その前段階としてこのような検査による個々人の細菌叢を把握することの重要性も増しています。
やはり虫歯になってしまう前の予防対策が最も大切ですね。
原井デンタルオフィスではこれらのことを踏まえてお一人お一人の口腔ケアに力を入れていきたいと思います。