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令和6年春季歯周病学会
2024年07月27日
先月、春の歯周病学会が福島県郡山市で開催されました。 コロナ禍以降、様々な学会が現地開催と合わせてオンデマンド配信されるようになりましたが、今回も私はネットで参加しました。 今回私が着目したのは「Fusobacterium nucleatumに着目した口腔管理による癌予防を目指して」という演題です。徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健医療管理学分野の藤原奈津美教授が講演されました。 数年前より、歯周病関連菌であるFusobacterium nucleatum(フソバクテリウム・ヌクレアタム)が大腸がんの発症に関与していることが指摘されてきましたが、今回の講演では、口腔がん組織からもフソバクテリウム属が高率で検出され、がん細胞の浸潤能を亢進させる可能性についても言及されていました。 このように、私たち歯科医師や歯科衛生士が日常的に対峙しているフソバクテリウム・ヌクレアタムが大腸がんや口腔がんの進行に関わっているのであれば、主に虫歯や歯周病を対象とした従来の口腔衛生管理のあり方も変わり、さらにその重要性が増してきていると言えるのではないでしょうか。私もそのような視点を持って診療にあたりたいと思います。