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糖尿病と歯周病の気になる関係
2014年01月28日
昨年末、ある論文が米医師会雑誌(JAMA)に掲載されました。
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1790896
“The Effect of Nonsurgical Periodontal Therapy on Hemoglobin A1c Levels in Persons With Type 2 Diabetes and Chronic Periodontitis”
というタイトルで、2型糖尿病患者に対して歯周病治療を行った場合のHbA1cの変化を調べたものです。
この論文は「非外科的な歯周病治療によってHbA1cの改善は認められない」と結論付けています。
JAMAのような世界的有力誌にこのような論文が掲載されると、すぐに他のメディアでも取り上げられるため、
「なんだ、糖尿病に歯周病治療は意味が無いのか、、、。」
と糖尿病の患者さんにもがっかりされてしまいそうです。
私も、「えっ!今まで多くの方にさんざん説明してきた事が否定されてしまうの?」とあわててしまいました。
が、しかし、何事もその中身を吟味しなければなりません。
どうやらこの論文の場合、歯周治療の効果が現れにくい条件の患者が研究対象として多く含まれているようです。
(比較的症状が軽いとか、糖尿病の治療をすでに受けているとか、です)
ですので、糖尿病に対して歯周病治療が効果無しと断定するには若干(多々?)問題があるのではないかと思います。
この辺りをきちんとフェアに判断する必要があります。
このような研究結果に注意しながらも、やはり今後も、臨床では糖尿病に対する歯周病治療の重要性についてはお話ししていきたいと思います。
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