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オステオロジー
2014年07月14日
先日「オステオロジー」というインプラント関係の学会に参加してきました。
今まではヨーロッパで開催されていましたが、日本での開催は今回が最初です。
インプラントの様々な術式やそれらの科学的なバックグラウンドについて多数の講演がありました。
演者も国際色豊かで、日本を始めとして、スイス、ハンガリー、ドイツ、ブラジル等から著名なドクターが参加していました。
どの先生も個性豊かで話の内容も興味深く、長時間の講演にも関わらずあっという間に感じました。
また少し臨床の幅を広げられそうです。
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2014日本抗加齢医学会 in 大阪
2014年06月24日
今年も日本抗加齢医学会総会へ行ってきました。
会場は大阪国際会議場。
この2週間前には歯周病学会で岐阜の長良川国際会議場へ行きましたが、全国には以外とたくさん“国際会議場”があるようです。
(ちなみに、来年の開催予定地は“福岡国際会議場”です。)
大阪駅に到着した時、「本日、嵐のコンサートがある京セラドームへは、、、」みたいな案内の構内アナウンスが流れていてちょっとびっくり。
これは人気グループの嵐だったから?
久しぶりの大阪でしたが、相変わらず活気を感じました。
学会の方は今回もとても興味深い研究発表や講演、シンポジウムがありました。
私が注目したのは、「消化管からアンチエイジングを考える」というシンポジウムです。
このシンポジウムでは、NASH(非アルコール性肝炎)という病気の進行には腸内細菌が深く関わっていること、さらに歯周病菌も関与しているとの指摘もありました。
私も昨年9月のブログで腸内細菌検査についてお知らせしたことがありますが、最近“腸内細菌の全身への影響”ということに対する注目度が高くなっているように思います。ちょうど先月、歯周病菌が腸内細菌叢を変化させることによって全身の様々な組織に炎症を起こすという研究結果も発表されています。
http://www.nature.com/srep/2014/140506/srep04828/full/srep04828.html
口も腸もひとつながりですから、そこにいる細菌がお互いに影響し合っていることはなんとなく想像できますが、今まさに新たな医学的根拠が示されつつあります。
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インプラントは鮮度が命
2014年06月02日
インプラントはできたてが最も良い状態というのはご存知でしょうか?
焼きたてのパンはおいしいとか、とれたての魚は新鮮、みたいな感じですが、イメージとしてはまさにそのような感じです。
インプラントはチタンという金属でできていて、加工された直後は水分とひじょうに良くなじむ“超親水性”という性質を持っています。
しかし、時間の経過とともに水をはじく“疎水性”へと変化してしまいます。
これは、チタン表面に大気中の炭素化合物が付着することによって起こる変化であることがわかっています。
どんなに厳重にパッケージングされていても空気に触れている限りこの変化を避けることはできません。
ストローマン社製のSLActive®という新しいインプラントは、保存溶液に入れることでこの問題を解決しました。
インプラント埋入手術時にも製造直後と同じ超親水性を保つことができるようになり、術後の治癒期間が短縮されることになります。
日曜日に、この新しいインプラントの発表会を兼ねたセミナーに参加してきました。
実際の症例報告もあり、今後のインプラント治療に大きく期待できる内容でした。
原井デンタルオフィスでも積極的に取り入れていこうと思います。
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2014春期日本歯周病学会
2014年05月28日
先週末、岐阜の長良川国際会議場で歯周病学会が開催されました。
この会議場は安藤忠雄氏の設計で、コンクリ打ち放しの外観に卵のようなドームがあったり、不思議な形をしています。
実は学会当日は時間に余裕が無く、建物の外観をじっくり見ていなかったため、後で写真を見て気がついたのですが、、、。
学会だけではなく、もっと建物も見ておけば良かったと思いました。
会議場が安藤氏設計というのはタクシーの運転手さんに教えてもらいました。
その他にも、マラソンの高橋尚子選手出身の高校があることや、長良川沿いには“高橋尚子ロード”と呼ばれるランニングコースがあることなども。
長良川に架かる橋を通過する時に実際の高橋尚子ロードを見ることができたのですが、きれいに整備されたコースで、走るにはとても気持ち良さそうでした。
その後運転手さんの話は止まらず、お孫さんが埼玉に住んでいて「おじいちゃん遊びにきて」と言われるがなかなか行けないこととか、話の方向が逸れ始めて身の上話の様相を呈してきたのでどうしようと思っていたところ会場に到着となり一件落着。
さて、学会ですが、今回も歯周病と全身疾患の関連性に関する研究報告を中心に発表を聞いてきました。
マウスでの実験ですが、歯周炎を起こすとTリンパ球の免疫応答能が全般に低下することから、重篤な歯周炎では全身免疫能が抑制されていることも推測されるとの報告がありました。
また、P.gingivalisという歯周病菌が腸内細菌叢を変化させ、それが起因となって全身的な炎症を引き起こしている可能性もあるとの発表もありました。
これらの内容から、重篤な歯周病に対しては口の中への対応だけでは治療が不十分であることが推察されます。
糖尿病などもそうですが、歯周病治療を進める上で、全身の健康管理は増々重要になっています。
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青春
2014年05月09日
アメリカの詩人、サミュエル・ウルマンの「青春」という詩が新聞記事で紹介されていました。
似たようなニュアンスの言葉はよく耳にするのですが、この詩のことは今まで全く知りませんでした。
その一節、
「青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」
「年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる」
ん〜、深いかも。
私は抗加齢医学(アンチエイジング)の専門医ですが、このような視点で“加齢(エイジング)”を考えることはとても大切なことだと思います。
肉体的なアンチエイジングを追い求めるあまり精神的なアンチエイジングがおろそかになっていないでしょうか?
原井デンタルオフィスがスタートして今月でちょうど2年になりました。
理想とする歯科医院を作り上げるにはまだまだやるべきことはたくさんあります。
理想を完結させることは難しいかもしれませんが、常にそれを追い求めることが重要だと思っています。
そういう意味では、私もウルマンの言う“青春”にあるとも言えるでしょうか?
しかし、同じ新聞記事には、続けて随筆家アービングの「お若く見えますねと言われたら、年をとったなと言われていると思え」という言葉が紹介されていて、そういえば最近、私もそのように言われたことを思い出してちょっと複雑な気持ちの今日この頃です。
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歯周病学講座非常勤講師に就任しました
2014年04月16日
この4月より、神奈川歯科大学の非常勤講師を務めることになりました。
所属は“神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔科学講座歯周病学分野”です。
先日、歯周病学講座の三辺教授をはじめ、社会歯科学講座の先生とも今後の歯周病研究についての意見交換を行ってきました。
このような場でのディスカッションは臨床医として様々な刺激を受けます。
大学レベルでの研究や最先端の治療方法を日常の臨床でも役立てていきたいと思います。
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101年目のロバート・キャパ
2014年04月02日
「101年目のロバート・キャパ」という写真展を見に行ってきました。
キャパと言えば、「崩れ落ちる兵士」で知られるように、戦場カメラマンとして有名ですが、
今回の展示は“カリスマカメラマンキャパ”ではなく、“魅力あふれる人としてのキャパ”というコンセプトを前面に出していました。
キャパの写真はモノクロにもかかわらず、カラー写真よりもリアリティを感じさせます。
色という情報を補うかのように想像力が働くのです。
キャパは戦場写真の他にも多くの人物写真を撮影しています。
ヘミングウェイと彼の息子が桟橋の上で寄り添っている写真が印象的でした。
釣りの途中なのでしょうか。
ヘミングウェイの穏やかな表情と男の子の笑顔に二人の関係が良く現れているように思えました。
このような写真は、撮影者と被写体(被撮影者)の関係も重要です。
お互いを自然に受け入れていなければこのような写真は撮れないはずです。
キャパとヘミングウェイの深い友情が感じられます。
この写真を見て、私は自分と息子のことを想像してしまいました。
私にとって、ある意味、理想的な親子関係をそこに見た気がしたのです。
ピカソやマティス、スタインベック、そしてかつての恋人イングリッド・バーグマンの写真も魅力あふれるものでした。
キャパという人そのものが映像のスパイスとして表現されているのかもしれません。
優れた写真は人の想像力を喚起します。
今回はそのことを実感しました。
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FGF-2
2014年03月18日
先日放送されたNHKニュースウオッチ9で、再生医療が取り上げられていました。
その中で、“FGF-2”という特殊な薬剤が紹介されました。
日本語では、“塩基性線維芽細胞増殖因子”と言います。
ちょっと舌を咬みそうな長い名前ですね。
このFGF-2は体の組織を再生する能力がひじょうに高く、
様々な治療への応用が期待されています。
歯科の分野では歯周病。
歯周病は歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてなくなってしまう病気です。
その歯槽骨をFGF-2で再生させようという研究が進んでいます。
他にも歯槽骨を再生させる薬剤はすでに臨床応用されていますが、
FGF-2はさらにその能力が高いと思われます。
日本国内では、大阪大学を中心に全国の大学歯学部が共同研究を実施し、2012年に「歯周炎罹患歯に対するFGF-2投与の長期的効果および安全性の検討」というタイトルの論文を日本歯周病学会誌に掲載しています。
私もFGF-2に大きな期待を寄せています。
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マウスピースの威力
2014年02月06日
2月4日の朝日新聞にマウスピースに関する記事が掲載されていました。
ソチ五輪モーグル代表の遠藤尚、西伸幸、星野純子の各選手が大会でマウスピースを使用するそうです。
2006年トリノ五輪以降、モーグル代表選手の半数が使用しており、結果も上々、導入のきっかけは、けがの予防だったとか。
長野五輪のスピードスケート金メダリスト清水宏保選手もマウスピースを使用して世界記録更新の経験があるということです。
ただ、清水選手の場合、呼吸の関係で使用を止めてしまったそうです。
確かに、全てのスポーツ選手に同じようにマウスピースが必須ということではないと思いますが、スポーツそれぞれの特性を考慮した使い方をすればパフォーマンスは向上すると思います。
以下、記事に記載されている日本オリンピック委員会強化スタッフの石上恵一東京歯科大学教授のお話です。
結局、かみ合わせが悪いと十分な筋力が発揮できない可能性があるということです。
原井デンタルオフィスでは、スポーツ用品メーカーであるアンダーアーマー社との契約の下、スポーツ専用のマウスピース「アーマーバイト」を制作する事ができます。
(さらに詳しくご覧になりたい方はこちらをごらんください。)
ご興味のある方はお問い合わせ下さい。
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アルペンスキー
2014年02月05日
いよいよソチ五輪開幕です。
今回は、スキージャンプやフィギュアスケートなどの競技でメダル獲得が期待されていますが、私としてはアルペンスキーを楽しみにしています。
ただ、トリノ五輪で4位入賞の皆川賢太郎が引退し、調子の上がっていた湯浅直樹が直前の大会で骨折と、残念な事が重なってしまいました。
ここはぜひ、残る佐々木明選手にがんばってもらいたいです。
アルペンスキーにもいくつか種目があって、
日本人選手は主に技術系のスラローム(回転)に参加しています。
実は、個人的にはスピード系のダウンヒル(滑降)が好きなのですが、
ここ最近、日本からはワールドカップを含めてこの種目に参加選手はいません。
日本では滑降の練習ができるスキー場があまりないせいでしょうか?
スキー人口の減少も要因の一つかもしれません。
スキー場へ行っても、スキーヤーの年代が、私と同じ40代以上とその子供たちという世代が多いように感じます。
20代、30代は明らかに少数派。
その世代はやはりスノーボードでしょう。
競技人口そのものが少なければいろいろチャレンジしてみようという人も出てきにくいですよね。
さらに、スキーというスポーツ自体の多様化。
一昔前、スキーは基礎かアルペン競技かに二分できましたが、
今では、モーグル、スキークロスなどのフリースタイルも盛んになっています。
現代の感性にはアルペンよりフリースタイルが合うのかもしれません。
スター選手が現れると状況も変わると思うのですが、
日本にも、カイザー(皇帝)と称されたフランツクラマーや
あらゆる種目で強さを見せたオールラウンダーのピルミンツルブリッゲンのようなスター性ある滑降選手が現れないかなと願っています。
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